ただバイリンガルになっても意味がない・・・!?
保護者の方のほとんどは、お子さんをバイリンガルのようにしたい、という思いでPreschool(プリスクール)そしてKindergarten(キンダーガーテン)というコースをご希望されます。
でも、前回のブログに書かせて頂いた通り、多分どこの英会話スクールに行かれても、きちんと英語で長時間のクラスをやっているところであれば、幼児は英会話力を身につけて、バイリンガルの様にはなれるはずです。
しかし、私たちがPreschool(プリスクール)を開講したのは、別の理由によるものでした。
私共が2002年にメープルランドを創設した当時は、今のメープルコース(1回50分で週1回のクラス)だけのスクールでした。
その前に15年ほど勤めていた英会話スクールも同様です。
週1回50分のクラスだけでも英語の得意な生徒は育ち、中には留学する生徒もいました。
その留学から帰ってきた生徒達が、アメリカやカナダで一番苦労したのは英語力ではなく、皆の前で自分の意見を頻繁に言わなければならなかったことだと言ったのです。他の人と同じ事を言ったり、何も言えない人は無能扱いされる・・・と。
日本の学校教育の特殊性
日本は島国で、鎖国もあったことから、独自の文化や、お互いに助け合い協力し合う国民性をはぐくみました。それは世界的に見ても素晴らしいことなのですが、その反面、皆一緒が良い、個人の考えより全体の考えに合わせる、そして出る杭は打たれるという民族性も培われました。
学校で、先生がAかBかと生徒達に尋ねると、自分はBだなと思っても、大多数の生徒がAに手を挙げると、皆と一緒にAに手を挙げてしまうのが日本の生徒です。
日本の学校教育は、世界の、特に英語圏の学校教育と大きく指導方法が異なります。
その具体例として、小学生の4時間クラスで理科の実験を入れようとした時に、ネイティブの講師から指摘されたことが、私の中では大きなカルチャーショックでした。
日本では先生は教科書に沿って、その単元で学ぶ内容を説明します。そして、それを証明するために実験を行います。手順も事前に学び行いますので、もし結果が教科書通りにならなければ過程で何か間違えたのだろう、ということになります。
それに対してアメリカでは、先生は何もその性質等を教えないで、まず生徒に、例えばAとBをくっつけたらどうなると思う?と問いかけます。それについて何も知識のない生徒達は、それぞれに想像力を働かせ、自分の考えを言います。では実際にやってみよう、ということで実験を行います。そうすると、自分たちが思ったのとは違う結果になり、何故だろうと考えます。そこで初めて先生は、実はこれにはこういう性質がある、だからこうなるんだよ、という説明をする。そうすれば、生徒の頭にストンと入るでしょ?と・・・。その全く真逆のやり方に、その時は本当に驚きました。
日本では、生徒は興味が有ろうが無かろうが、先生から一方的に説明されることを覚え、その覚えた知識をテストで評価される。それが当たり前のやり方ですが、アメリカでは、先生はまず生徒の興味を引き出し、頭を働かせ、考えさせてから新しい知識をインプットする。確かにこれは効果的ですよね!
受け身で、全体に合わせることに重きを置く日本の教育では、人前で堂々と自分独自の考えや意見を言える人材は絶対に育たない、と痛感した次第です。
ではどうすれば、将来英語圏に留学しても困らない生徒を育てることができるのだろう。ただ英語ができる生徒を育てるだけでは意味がない、と考えたときに、それこそ「三つ子の魂百まで」という言葉の通り、幼児から、いろいろなことに興味をもち、考える力、独創性や創造性を育て、自分の考えを臆せず表現できる教育を英語で行うことが大切だと考え、アメリカの幼児教育のカリキュラムを取り入れ、2歳からお子さんだけで長時間お預りするPreschool(プリスクール)を始めることにしました。
「熱意溢れる意欲的な学習者として、英語で考え意見を言える子供を育てる」これこそが、メープルランド インターナショナルのPreschoolとKindergartenのゴールなのです。