こんな子供に・こんな大人になってほしい
プリスクールやキンダーガーテンは、
それぞれの生徒の一生を左右する大切な幼児期の教育に拘わらせて頂く、責任あるクラスであると認識していますので、ビジネス的には決して良くはないのですが、先生一人についての生徒数は他校に比べるとぐっと少ない少人数制です。
特にキンダーガーテンは、一斉授業でできる事はしますが、基本的には一人ずつの解る言葉、解るやり方で指導し、最終的に全員が同じようにできるようにするというやり方をしています。
幼児期のお一人お一人の様々な能力は、それぞれの家庭環境や性格等いろいろな要因により、千差万別です。
集中力がちょっと欠けていたり、わがままを言ってみたり、恥ずかしがり屋さんで引っ込み思案だったり、わかっているふりをしてみたり・・などなど、皆何かしら、大なり小なり違いがあるものです。
担当の講師は、それぞれの生徒の問題点や良い点、個性をしっかりと把握し、同じゴールに向かって、それぞれに合わせたアプローチの仕方をするのです。
何かを学ぶ時に、まず大切な第一歩は、「ちゃんと見る・聞く」ということです。
先生が説明をしているときに、ちゃんと見ていない、ちゃんと聞いていなければ、いざその説明に従って何かを作ろう、描こう、というときに、どうしたらいいのかわからなくなります。そうすると、周りの子たちの真似をするしかなくなります。同じ仕上がりになりさえすればよいのなら、それでもごまかすことはできるでしょうが、すべてのアクティビティには意味があり、学びがあります。そして、そこでの学びは次の学びのステップになります。ですから、その場では他の子の真似をして、何とかやり過ごせたとしても、次のステップで、またつまずくことになってしまいます。
先生たちは、勿論すべてわかっていますから、どうしてつまずいてしまったのかな?どうしてわからなくなってしまったのかな?を自分で考えて、ちゃんと見ていなかった、ちゃんと聞いていなかったからだ、ということに自分で気づき、ちゃんと見ること・聞くことの大切さを、しっかりわかってもらえるよう促します。
「ちゃんと見る・ちゃんと聞く」ことができるようになると、「ちゃんとわかる」ようになります。わかれば、どんどん学ぶことが面白く楽しくなってくるのです。
こうして、一人一人をよく見てよく理解して、それぞれのお子さんに合わせたやり方で学ぶ楽しさを身につけていただく一つの理由は、卒園という一つのゴールに合わせ、小学校に進学されたあと、こういうお子さんになって、こういう生き方をしてほしいという私たちの願いがあるからです。
- お友達と上手につきあい、学校生活がうまくできる
- 学ぶ喜びがわかり、学習を楽しめる
- クリエイティブで、創造することを楽しめる
- 自分で考え、自分で意思決定ができる
- 自分に自信をもち、他者を尊重できる
それでも当キンダーガーテンから小学校に進学される際には、生簀(いけす)で大切に育てた魚たちを大海に放つようなものですから、大人数のクラスの中で、ちゃんとやっていけるのだろうか・・・と最初は非常に不安がありましたが、今のところ皆、学校生活を楽しんでくれているようです。
その理由の一つは、キンダーガーテンでは、問題解決能力も身につけることができるからではないかと思います。
子ども達が遊んでいると、当然おもちゃの取り合いのような問題が発生します。
そんなときは、皆でどうしたら良いかを考え話し合います。一つしかない物を二人が使いたい。じゃあ、まずジャンケンをして勝った方が時間を決めて遊んで、次にもう一人の子が遊べば?というような意見を、先生が指導するのではなく、皆がそれぞれに考えて、次々に提案します。そういうことを繰り返すうちに、そういう解決法を考える能力が自然に身につくのです。
何か困ったことがあったとき、泣いたり、パニックになるのではなく、どうしたらいいのかな?と冷静に考える力、自分のことだけでなく、他者のことも思いやって、広い視野で全体を見て考える力が身につけば、大きくなって、もっともっと大きな問題に直面しても、きっと乗り越えていってくれるのではないかと思っています。